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印象記

内観特別講演会 石川洋「泥舟から報恩の舟に」を拝聴して


『雨ふるふるさとははだしであるく』 (種田山頭火)
雨降る
  ふるさと
  天からの恵みの雨
  母います、ふるさと
  私という大地に天から、父母から、恵みの雨が降る
  そんなふるさと

自らを捨てて、私を産み、育ててくださった母
たとえば、(白鳳期までだろうか)古い仏像の姿を見ると、
表は慈愛に満ちた、母の面影
しかし、後姿は、荒削りのまま、
この後姿こそ、表に決して見せることの無い、あるがままの姿

仏とは、自分を捨てきって解脱した、理想の姿
自分を捨てきって、他のためにつくす、仏の菩提心
母の背中と重なる・・・

父母も私と同じ、一人の人間
苦しみも、悲しみも、
荒削りの背中を見せないけれど、
私と同じ、なにも出来ない儚い一人の人間

石川氏は、常に父母の写真を懐中に収め、
朝にはいつも、父母と「生きた話」をされている
それが、生きる力になる

私の命の根源は、父母、さかのぼれば宇宙の根源まで・・・
命の根源は、ふるさと

父母のまた父母は我なり
我を愛せよ 我を敬せよ

誰の心にも、鬼が棲む
人には、解決できない、どうすることもできない業がある
それでも、私は生かされている
いつも、誰かに、何かに、導かれている

自分を捨てよ 全てを任せよ
私は何もできないのに
唯自分を見つめよ 父母を見つめよ
悲しくても 苦しくても
懐かしいふるさとに 雨が降っていても たとえそこが修羅場でも
裸足で 歩け
命の 宇宙の根源が そこにある

ふるさとは みんなさみしく なつかしく (石川洋)

母にしていただいたことに対して
何一つ尽くすことはできない
それならば 母になしたるように
他の人に尽くしなさい
(涅槃経)

偉い人ではなく
立派な人でなく
人のお役に立つ人になりなさい
(西田天香)

内観は 本来 当たり前のこと
それすら出来ない私を見つめるのが 内観
素直になれない私は
父母の力をもらう資格のない私は
内観すらできない私は
ふるさとが見えない私は
本当に なんにもできない ただのひと
だから
自分を捨てよ
全て任せよ
といわれた気がした

屏風のなかに膝をかかえ
さなぎのように
いつか押し出される力を頂いていることを知るために
天からの力 父母からの力 全ての人からの力・・・
命の根源を知ることが 生きることだとしたら
内観することが 生きることになるのかしら

私は摂食障害
心の奥に棲みつく不安を、怒りを、口を満たすことで刹那的に忘れようとしている
そのときだけ深い深い、はてしない快楽に落ち込み、
しかし、覚めたとき、後悔の嵐

なぜこんな病に取り付かれているのかと5年程もがき苦しみ、
でも自力でなんとかしようと、
私は去年の4月に、病院ではなく、内観の扉を叩いた。

屏風の中では、食べ物のことを考えなくて済む、それだけで心地よく、
実際の内観になると、母に対して、一つふたつ思い出すのが精一杯
本当に、ほとんど思い出せなくて、終わってしまった
きっと、思い出さないように、自分で記憶に鍵をかけているのだろう

だから、鍵をこじあけようとすると、トラウマが私を襲う
親が好き、嫌い、ではなく・・・
記憶のまだない赤ちゃんの頃から、私は恐れと怒りにみちて生きてきた

そんな私に、親に感謝、親にふるさとを感じる・・・
本当は、それだけでトラウマが蘇り、見境がなくなってしまう

でも、これからは、親からの恐怖を感じないで、自分らしく、思うが侭に生きたい
私の家はないと信じていたけど、心のふるさとを、感じてみたい
そして、私の病も いつか感謝のエネルギーになるように
私の病が 天からの恵みの雨であるように
私の力になるように

地湧菩薩
この世を救うものは地から湧き出る力
天からの恵み
すなわち父母の恵み知ることによって
地が 私が 潤うことが出来る

これからどうなるのか、誰にも分からない
でも
いつか内観できるときが来ることを、信じている
そのときは
どしゃぶりのふるさとを
裸足で歩きたい

石川氏をはじめ 今日私をここに導いてくださったすべてのすべての人に感謝したい

(Sachiko.K)
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はじめての内観体験

はじめて内観を体験して


この一週間、奈良にある研修所に籠もり、内観療法というものを体験していた。

大学時代にたまたまレポートの分担に当たって調べたことがあり、ちょっと興味を持ったことがあったのだが、昨年、たまたま研修所の所長さんに会うことがあったのが、いいきっかけだった。

この内観療法とは日本生まれの心理療法で、国際学会もあり、最近は中国や韓国で脚光を浴びている。

畳の部屋の隅に屏風を立てて、半畳ほどの空間に座布団を敷き、便所と入浴以外の時間は、その中でこれまでの自分を振り返りながら過ごす。

母親、父親、兄弟、祖父母、配偶者、子供、友人など今までの人生の中で自分と関わりのあった人から対象と時代を決めて、子供の頃からさかのぼって、以下の3点を調べていく。

1.お世話になったこと
2.して返したこと
3.迷惑を掛けたこと

養育費の計算をしてみたり、「嘘と盗み」というテーマで掘り下げていくこともある。


一時間半から二時間ごとに一回、写真のように指導者が屏風を開けて、5分ほどの面談を繰り返していく。


自分の内面と向き合うことで、その人の仏性(言葉を変えれば、超自我、自然治癒力など)が引き出されていくという。

それで、心身の病気や症状が治ったり、人間関係が改善されたりという結果につながることもあるという。
犯罪者やアルコール依存症患者の厚生、企業の人材育成にも使われている。

さて、私の場合だが、参加した動機は単なる好奇心。
実際に屏風の中で座っていると、雑念が多く沸き起こり、なかなか思考に集中できず、時にはうたた寝さえしてしまうという不真面目さ。
(雑念の9割は仕事のことだった。)

良くも悪くも身体には変化はなかったが、これはもともと健康だったからだろう。
同室のウツ症状に悩む人に「そんなにいっぱい寝られてうらやましい」と言われるくらいにたっぷり寝ていたくらいだ。

それでも、自分は一人で生きてきたように思っていたけれど、多くの人々に愛情を注がれつつ、迷惑を掛けつつ生きてきたのだということを改めて認識させられた。

本に書いてあったり、他の参加者の話ほどは、あまり劇的な変化は感じられなかったけれど、なかなか贅沢な時間を持てたのではないかと思う。

数十年、同じように自分の内面を見つめる人々が集う場所だけに、ちょっと不思議な夢を見たりもした。
その手の能力が強い人には何かが見えるにちがいない、と少々邪道なことを考えながら、日本家屋の建物を後にした。(スピーチセラピスト・女性)

特別講演会

◇内観特別講演会のお知らせ◇

●日 時: 平成20年7月27日(日)午後12時半受付開始・午後13時~16時
●会 場: 薬園八幡神社(JR郡山駅徒歩約4分・近鉄郡山駅徒歩約10分)奈良県大和郡山市材木町32(大和内観研修所のすぐ隣です)電話:0743-53-1355
※当初の会場(大和郡山市市民交流館)から変更になっておりますので、ご注意ください。
・費用 千円

特別講演「泥舟から報恩の舟に」(講師:石川洋)

四年前七日間が山ですよという診断を受け透析治療を受ける。入院者となって辛かったことは、「何故この病に倒れたのか」という、自分を責める矢が四方八方から迫ってくるマイナスのエネルギーにさいなまれたことである。
これではいけないと気づき、「面会謝絶」の病室の符に「只今さなぎ中」という紙を添えた。土中にもぐりこみハッとした。次ぎつぎに計りしれない多くのご恩が湧き出てくるではないか。それ迄さなぎは自分の力で土の上にはい上がるのだと思って来たが、押し出される力をいただいていることをしった。
そう受けとめた時、自分を責める多くの矢が外に向きを変えていくではないか。自己中心の泥舟から恩愛の舟に乗りかえることが出来た。今、病いの縁を報恩のエネルギーとして、感謝感動の日々を送らせて頂いている。
◇講師プロフィール◇
石川洋(いしかわよう)昭和5年2月15日、栃木県鹿沼市に生まれる。キリスト教の家庭に育ち、戦時下の青年期に戦争と人間の生死について苦悩。戦後、牧師を志すが、昭和22年4月、一燈園創始者・西田天香師に出逢い、師事。托鉢者として今日に至る。
東南アジア難民救済、スラム支援、在韓被爆者、忘れられた日本人妻などの支援活動を精力的に展開。2000年10月韓国から国民褒章、カンボジアから国家建設功労第一等勲章を受賞。現在も、教育・福祉・経営など、各方面での講師として東奔西走。人間の根本にせまる講演は大きな感動と反響を呼んでいる。(公式ホームページより)

◆タイムスケジュール◆
午後12時30分  受付開始
午後13時     主催者あいさつ
午後13時15分  特別講演 石川 洋「泥舟から報恩の舟に」
午後14時45分  休  憩
午後15時     内観体験発表
午後15時30分  質疑応答(座長:真栄城輝明)
午後16時     終  了
●会場が変更になっております。不明の点は下記の事務局へお問い合せ下さい。また、当日はプログラムに若干の変更があるかも知れません。
◆お問い合わせ◆
大和まほろばの会事務局(大和内観研修所内)
TEL 0743-52-2579
mail naikan3@nifty.com

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平成20年度第一回シリーズ内観セミナー 第二回講義のお知らせ
お陰様でシリーズ内観セミナーは5月11日に第一回「現代社会と内観」(巽信夫)が開催され、活発な質疑応答が繰り広げられて、盛会裏のうちに終えることが出来ました。ご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。引き続きまして、7月13日には、鈴木茂先生(楽メンタルクリニック院長)を迎えして、第二回「パーソナリティ障害化という今日的問題」を開催いたします。たくさんの方のご参加をお待ちしております。

「パーソナリティ障害化(Personality disorder)という今日的問題」
◇講義紹介◇
「今日のうつ病は、かつていわれていたように『真面目で責任感の強い、社会的・職業的な役割に従順な人たち』ばかりでなく、むしろその逆であるような『うつ状態』の人間が社会に蔓延してきました。つまり『うつ病のパーソナリティ障害(Personality disorder)化』という現象が『職場のメンタルヘルス』に関する喫緊の課題になっていて、私もこの2年間、産業医の研修会に招かれて講演してきました。」これは講師の鈴木茂先生が今回のセミナーに向けて送ってくれた私信の一節である。そこで、最初に設定したテーマ「境界例の理論と実際」を鈴木先生の意向により『パーソナリティ障害(Personality disorder)化という今日的問題』に改題することになった。鈴木先生は今回の内観セミナー参加者に向けて、「『パーソナリティ障害(Personality disorder)化の問題』は、単にうつ病だけにとどまらず、BPD(境界性人格障害)やNPD(自己愛性人格障害)や解離性障害の今日的な増加をもたらしています。その辺の精神病理や社会病理を一括して論じるつもりです。」とのメッセージを送ってきた。今回のセミナーに対する強い意気込みが感じられた。楽しみである。(大和まほろばの会 代表:真栄城輝明)

◇講師紹介◇
鈴木茂(すずきしげる)。1948年 東京生まれ。1973年 東北大学医学部卒業。85~86年ドイツ・マールブルク大学医学部精神科客員研究員(フンボルト奨学生)、県西部浜松医療センター精神科科長を経て2007年4月から楽メンタルクリニック院長。精神保健指定医、医学博士。日本精神神経学会専門医、日本総合病院精神医学会指導医。日本精神病理・精神療法学会評議員。雑誌『臨床精神病理』編集委員。静岡大学非常勤講師。日本精神神経科診療所協会会員。著書に『境界事象と精神医学』『人格障害とは何か』(岩波書店)『境界例 vs 分裂病』『人格の臨床精神病理学』(金剛出版)ほか多数。

・日 時:7月13日(日)10時受付開始 10時30分~12時30分
・会 場:大和郡山市市民交流館3階大会議室(JR郡山駅東口すぐ・近鉄郡山駅徒歩十分)奈良県大和郡山市高田町92-16 TEL:0743-51-1155※会場までの地図が必要な方は事務局までお問い合わせ下さい。
・対 象:内観セミナーに関心のある方ならどなたでもご参加いただけます。
・参加費:5,000円
・定 員:50名(先着順)※定員になり次第、締め切らせていただきます。
・申 込:必要事項(氏名、住所、年齢、職種、電話、メールアドレス)を記入の上、郵送又はFAXにて事務局にお申し込みください。メールでの申し込みも可能です。参加費はまほろばの会の口座(ゆうちょ銀行・口座番号:00900-4-193885 口座名:大和まほろばの会)に専門用紙(振替払込書)にて納付してください。専門用紙は全国の郵便局に用意されています。ご不明な点がありましたら事務局までお問い合わせください。

◇お問い合わせ◇ 
大和まほろばの会事務局
〒639-1133 奈良県大和郡山市高田口町9-2 大和内観研修所内
TEL:0743-52-2579
FAX:0743-54-1376
e-mail:naikan3@nifty.com


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シリーズ内観セミナー単独受講者募集のお知らせ
 
先日より本年度より開講いたしますシリーズ内観セミナーのご案内をさせていただいております。「現代社会と内観」(巽信夫先生)の開講が5月11日(日)に迫ってまいりました。シリーズ一括申込及び公開講座(「ヨーガと内観」(木村慧心先生))につきまして、まだ若干定員に余裕がありますので、ご希望の方はどうぞ事務局までお申し込み下さい。
 さて、ご案内をさせていただいてから複数の方からご意見をいただきました。いくつかをご紹介いたしますと、
 ・日程の都合でシリーズを一括で受講できないので、単独での参加は可能ですか?
 ・受講対象が「対人援助職」ということなのですが、講義だけの参加は無理ですか?
 ということでございました。
 出来るだけ参加希望者のご要望にお応えできればと思い、事務局で協議させていただきました結果、定員を50名に設定し、単独受講者を募集させていただくことになりました。また、それぞれの回の講義のみ、対人援助職の方だけでなく一般の方にもご参加いただけるようにしたいと思います。※事例検討会につきましては、守秘義務が発生いたしますので、対人援助職の方以外の参加はご遠慮いただきますようお願い申し上げます。

【対象】内観セミナーに関心を持たれている方。※一般の方は講義のみの参加になります。

【日程・費用】
①5月11日(日)「現代社会と内観」(巽信夫先生)
→講義のみ(参加費・5,000円)・・・当日(5月11日)まで受け付け
②7月13日(日)「境界例の理論と実際」(鈴木茂先生)
→講義のみ(参加費・5,000円)・・・当日(7月13日)まで受け付け
④11月9日(日)「学校現場のメンタルヘルス」(人見一彦先生)
→講義のみ(参加費・5,000円)・・・当日(11月9日)まで受け付け
⑤ 2月8日(日)「ナラティヴ・ベースト・メディスン」(中川晶先生)
→講義のみ(参加費・5,000円)・・・当日(2月8日)まで受け付け
※各回とも、定員(50人)になり次第、締め切りとさせていただきます。
※募集は講義のみですが、対人援助職の方で講義の受講に引き続いて事例検討会の参加をご希望の方は事務局までお問い合わせください。

【申込方法】必要事項(氏名、住所、年齢、職種、電話、メールアドレス)を記入の上、郵送又はFAXにて事務局にお申し込みください。メールでの申し込みも可能です。また、参加費を下記の口座(ゆうちょ銀行)に専門用紙(振替払込書)にて納付してください。用紙は全国の郵便局で用意されています。
・口座番号 00900-4-193885(大和まほろばの会)

【セミナー会場(大和郡山市市民交流館)のご案内】
奈良県大和郡山市高田町92-16 TEL:0743-51-1155(JR郡山駅東側すぐ、近鉄郡山駅徒歩10分)※案内の地図をご要望の方は事務局までお問い合わせください。

【大和郡山へのアクセス】
【奈良から】JR大和路快速乗車約10分
【大阪から】JR大和路快速乗車約40分 
【京都から】JRみやこ路快速乗車(奈良で乗換)約50分

【お問い合わせ】
大和まほろばの会 事務局
〒639-1133 奈良県大和郡山市高田口町9-2 大和内観研修所内
TEL:0743-52-2579 
FAX:0743-54-1376
e-mail:naikan3@nifty.com

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内観セミナーへのご案内

平成20年度第一回シリーズ 内観セミナーのご案内

主催:大和まほろばの会
代表 真栄城輝明(大和内観研修所・臨床心理士)

内観セミナーへの招待
真栄城輝明(大和内観研修所)

このたび内観セミナーを開催することになりましたので、関係各位にご報告方々ご案内を差し上げる次第です。セミナー企画の経緯は以下のようです。
昨年の平成19年10月27~28日に第19回内観療法ワークショップを奈良にて開催致しましたところ、予想を超える参加申込があり、準備委員一同にとっては嬉しい悲鳴となりましたが、会場の収容人数に制限があって、一部の方々には、ご参加をお断りせざるを得ない事態となりました。改めてお詫び申し上げます。アンケート結果はもとよりですが、直接、間接に寄せられた声に耳を傾けていると、内観に対して様々な希望があることが分かりました。いくつかを紹介するとこうです。

①人間関係がうまくいかず“うつ病”になってしまう人が増えているが、職場のメンタルヘルスに対して内観は役に立つでしょうか?
②最近、内観研修所に“境界例”と診断を受けた方の来所が増えてきたが、対処の仕方があれば教えて欲しい。
③ワークショップのシンポジウムが大変良かったので、再度、今度はじっくりお話を聞いてみたい。
④内観と組み合わせて使える他の心理療法があれば、学んでみたい、など。

これらの希望に応えることはできないものかと思案を重ねた結果、内観セミナーを企画することになりました。そこで、今回、企画された内観セミナーでは、欧米の心理療法やインドのヨーガなどに精通しているだけでなく、内観にも深い理解を示すその道の第一人者を講師にお迎えすることができました。
質疑応答の時間を十分に確保するために、人数を制限させていただくことになりますが、学習の質を保つためにはやむを得ないことと考えました。関係各位にはご理解いただければ幸いです。内容はレクチャーや事例検討、あるいは実習を盛り込んだプログラムになっています。事例の提供は、参加者の中から募りたいと思っております。ご希望の方は参加申し込みの際に事務局までお知らせ下さい。参加資格は日本内観学会や日本内観医学会の会員はもとより、対人援助を仕事にしている守秘義務のある方ならどなたでも参加できます。定員になり次第、締め切らせていただきますので、お早めにお申し込み下さい。

真栄城輝明(まえしろてるあき)
 大和内観研修所所長。臨床心理士。上海交通大学客員教授。日本内観学会副理事長。日本内観医学会評議員。日本サイコセラピー学会理事。著書に『心理療法からみた心のふしぎ』『心理療法としての内観』(ともに朱鷺書房)、共編著『内観療法の現在―現代のエスプリ』(至文堂)『内観療法―心理療法プリマーズ』(ミネルヴァ書房)などがある。



第一回シリーズ内観セミナー 日程(Ⅰ・講義、実習 Ⅱ・事例検討)

①5月11日(日) Ⅰ・10:30~12:30 Ⅱ・13:30~16:30
講 師:巽 信夫(精神科医、日本内観学会理事長、信州大学メンタルヘルス科専任医)
テーマ:現代社会と内観

②7月13日(日) Ⅰ・10:30~12:30 Ⅱ・13:30~16:30
講 師:鈴木 茂(精神科医、楽メンタルクリニック院長、静岡大学講師)
テーマ:境界例の理論と実際

③9月7日(日) Ⅰ・10:30~16:30(実習を含む)
講 師:木村慧心(セラピスト、日本ヨーガ療法学会理事長、米子内観研修所所長)
テーマ:ヨーガと内観

④11月9日(日) Ⅰ・10:30~12:30 Ⅱ・13:30~16:30
講 師:人見一彦(精神科医、近畿大学臨床心理センター長)
テーマ:学校現場のメンタルヘルス

⑤2月8日(日) Ⅰ・10:30~12:30 Ⅱ・13:30~16:30
講 師:中川晶(心療内科医・臨床心理士、大阪産業大学教授、なかがわ中之島メンタルクリニック院長)
テーマ:ナラティヴ・ベースト・メディスン

◇会  場:大和郡山市市民交流館 三階大会議室
※「ヨーガと内観」は実習のため、会場は薬園八幡神社になります。(大和内観研修所のすぐ隣です)

◇定  員:25名
※定員になり次第、締め切らせていただきます。当日参加はⅠ(講義)のみ参加可能です。(5,000円)

◇参加費:一般 40,000円 大学院生 30,000円(資料代込み)

 ◇備 考:「ヨーガと内観」では実習がありますので、各自動きやすい服装でお越しください。また、バスタオルをご用意願います。


第一回シリーズ内観セミナー 講義紹介

現代社会と内観(巽信夫)
“働き盛りのメンタルヘルス”と内観療法
 自殺率の急増に象徴されるごとく、“働き盛りのメンタルヘルス”へのとりくみは、昨今、大きな社会的課題となっています。この背景には、モノ的文明の飛躍的発展に伴う人間疎外の加速化が与っているといっても過言ではありますまい。東洋の知恵に根ざし、人間復活を促す内観は、まさに現代が求める本格的な癒しの法であるといえましょう。今回、まずは全人医療、全生涯発達、そしてネオ・コミュニティー医療といった既存の医学モデルを止揚する次世代医療モデルの動向につき紹介します。次いで、内観の実際とその心的転回のしくみにつき、事例をまじえつつ小生なりの見解を提示します。その上で、内観療法としての活用の現状を説明します。そして最後に、時代意識の変遷に伴う内観適用の再考と今後の課題につき言及してみたいと思います。

境界例の理論と実際(鈴木茂)
personality disorderの蔓延という今日的問題について
うつ病患者はかつて、「真面目で責任感が強く、他者配慮性をもった社会的に有能な人たち」と言われてきた。しかし今日では、この常識的なうつ病観とは正反対の、(未熟型・回避型・dysthymia型などと呼ばれる)personalityに問題を抱えた「うつ病」患者たちが増加の一途をたどり、職場のメンタルヘルスの喫緊の課題となっている。統一的な規範を失った現代社会では、そもそもpersonalityに関する正常と異常の境界が不明瞭化し、健常者の間にさえ広義のpersonality disorderが浸透している。1970年代までの「境界例」概念は、時代を下ってborderline personality disorderへと収縮する過程で、80年代には自己愛性人格の、90年代には「解離性同一性障害」の一時的な流行を生み、21世紀に入ると解離性のpersonality傾向が社会に蔓延して,必ずしも異常な現象とはみなされなくなってきたのである。こうして内観のような内省力の重視は、行動に対する外部からの直接的な制御という方法に取って代わられようとしている。そのような時代における症例との関わり方の要点を、当日は論じてみたい。

ヨーガと内観(木村慧心)
―真我を悟る東洋の智慧-
  内観もヨーガも共にインドをその発祥の地とする東洋の智慧である。内観は仏教にその源を発し、ヨーガは2500年前のゴータマ仏陀を更に遡ること2000年に及ぶウパニシャッド聖典成立時代に遡る東洋の智慧である。東洋の智慧の特徴は自己存在の悟りにある。真の自己存在を知ることで私たちは曇りのない、ありのままの世界を悟れるのである。自己の智慧の眼に曇りがなくなるからである。こうした純粋な智慧を得る為には、精神の純化とこの精神純化の有無を自覚する技法が行者に身についていることが必須である。本セミナーでは、内観とヨーガの各技法を駆使して、これら精神純化技法実習と更に、精神純化有無自覚技法を参加者と共に実習する予定である。 

学校現場のメンタルヘルス(人見一彦)
思春期の問題を考える
 いじめ、不登校、引きこもりによる子どもの苦痛は、さまざまな形でこころと身体の症状にあらわれる。子どもの情緒と行動に大きな影を与える。孤独感におちいり、絶望的な気分におそわれ、死を意識することもめずらしくない。イライラしておちつかなくなり、まわりの言動に過剰に反応することもある。母親から離れられなくなり、幼い子どもに戻ったような言動があらわれる。感覚過敏になり、恐ろしい内容の夢を見て、夜中に飛び起きる。家族と交流しなくなり、インターネットにはまり込む。それぞれに大きなこころの悩みがある。子どものこころの病理は、親の病理でもあり、社会の病理でもある。具体的事例を通して、ディスカッションしながら、その背景にある病理を明らかにしつつ、対応について考えてみたい。

ナラティヴ・ベースト・メディスン(中川晶)
病いの語り―ナラティヴの視点から―
近年、ナラティヴ(語り)という言葉が医療分野に、急速に浸透してきている。なぜこれほど浸透が早いのかというと、これまでの医療パラダイムがどうも閉塞状況にあり、医療者が状況打開のために何か別の考え方を模索していたからなのかもしれない。しかし、現在ナラティヴという言葉が独り歩きしていて、様々な派閥が作られているようにみえる。これではせっかくのナラティヴという切り口が単なる心理療法の一派として埋没してしまいかねない。そして医療におけるナラティヴも流行の一つになってしまう危険性がある。医療におけるナラティヴは、イギリスのT・グリーンハルを始めとする臨床医たちが臨床における患者の、病気観を中心にした「病いの語り」を医療に生かすことが治療的だという考え方を強力に押し進めてきた。今回は医療におけるナラティヴの、聴き手側、つまりはナラティヴにおける聴き方について、論を展開してみたい。

講師プロフィール

・巽信夫(たつみのぶお)。1967年信州大学医学部卒業。信州大学部精神医学教室助教授を経て、現在、信州大学病院メンタルヘルス外来専任医。医学博士。日本欧州共通サイコセラピー資格認定。上海交通大学医学部客員教授。役職:日本内観学会理事長、日本内観医学会理事、日本サイコセラピー学会理事、長野県産業保健推進センター基幹相談員。著書に『鬱病』(有斐閣)、『境界例の精神療法』(金剛出版)、『医心理学』(星和書店)、『心理療法の本質』(日本評論社)、『東洋思想と精神療法』(日本評論社)他多数(いずれも共著)。

・鈴木茂(すずきしげる)。1948年 東京生まれ。1973年 東北大学医学部卒業。85~86年ドイツ・マールブルク大学医学部精神科客員研究員(フンボルト奨学生)、県西部浜松医療センター精神科科長を経て2007年4月から楽メンタルクリニック院長。精神保健指定医、医学博士。日本精神神経学会専門医、日本総合病院精神医学会指導医。日本精神病理・精神療法学会評議員。雑誌『臨床精神病理』編集委員。静岡大学非常勤講師。日本精神神経科診療所協会会員。著書に『境界事象と精神医学』『人格障害とは何か』(岩波書店)『境界例 vs 分裂病』『人格の臨床精神病理学』(金剛出版)他多数。

・木村慧心(きむらけいしん)。1947年群馬県前橋市に生まれる。1969年東京教育大学理学部卒業。その後、京都大学にて宗教哲学を、インドカイバルヤダーマ・ヨーガ大学にてヨーガ療法を学び、スワミ・ヨーゲシュワラナンダ大師に師事しラージャ・ヨーガ・アチャールヤとなる。1975年米子内観研修所開設。1980年日本ヨーガ・ニケタン開設。2003年日本ヨーガ療法学会設立。現在、ヨーガ療法研究/普及活動に従事。鳥取県米子市在住。日本ヨーガ療法学会理事長。米子内観研修所所長。

・人見一彦(ひとみかずひこ)。昭和40年神戸医科大学卒業、昭和48年神戸大学医学部大学院(精神神経科学)修了・医学博士、文学部哲学科研究生、昭和50年より近畿大学医学部勤務、平成10年同教授、平成19年同退任、現在 近畿大学臨床心理センター長。平成10年日本精神病理学会、平成15年日本青年期精神療法学会、平成17年日本内観医学会、平成18年日本サイコセラピー学会大会長。著書に『子どもの心のシグナル』『こころの病がわかる事典』『学校現場のメンタルヘルス理解』(朱鷺書房)、『阪神大震災のメンタルヘルス』(金原出版)など多数。

・中川 晶(なかがわあきら)。1952年京都生まれ。1977年大阪府立大学農芸化学科を卒業し、大学院へ進学。1985年に奈良県立医科大学卒業後、大阪赤十字病院内科研修、大阪大学精神医学教室に入局。近畿大学東洋医学研究所を経て1995年なかがわ中之島クリニックを開設。2001年大阪産業大学人間環境学部助教授に就任。2005年教授に就任。イギリスにてナラティヴ・ベースト・メディスンを学んで帰国。著書に『こころの癒し方(健康ライブラリー)』『心療内科医のメルヘン・セラピー:ココロの重荷が軽くなる11の物語』(講談社)他多数。


参加申込要領

【対  象】 教職者、臨床心理士、精神科医、その他医療、教育、福祉等に関わっておられる方。また、それに関わる領域を学ぶ大学院生(教育、心理、医学、福祉等)の方。 ※事例検討が予定されていますので、守秘義務があります。

【申込方法】 必要事項(氏名、住所、年齢、職種、電話、メールアドレス)を記入の上、郵送又はFAXにて事務局にお申し込みください。メールでの申し込みも可能です。
     
【定  員】 25名 ※定員になり次第、締め切らせていただきます。
      
【申込期限】 第一回開催時(平成20年5月11日)まで

【問い合わせ】 大和まほろばの会事務局(〒639-1133 奈良県大和郡山市高田口9-2 大和内観研修所内)TEL:0743-52-2579 FAX:0743-54-1376 e-mail:naikan3@nifty.com

【参加費】 
一  般  40,000円(全五回) 38,000円(早期割引)
大学院生  30,000円( 〃 ) 28,000円(早期割引)
講義のみ参加(「ヨーガと内観」は実習含) 5,000円(早割なし)
      
※参加費は下記の口座(ゆうちょ銀行)に専門用紙(振替払込書)にて納付してください。用紙は全国の郵便局で用意されています。

・口座番号 00900-4-193885(大和まほろばの会)
      
なお、シリーズ一括申込で平成20年4月末日までに振り込まれた方は参加費が2,000円引きとなります。(早期割引)「ヨーガと内観」あるいは講義のみ参加の方は早割の対象にはなりませんので、ご了承ください。

【会場受付】開始時間の30分前より開始いたします。

※申込は原則として全五回、シリーズ一括事前申込みとなります。但し、守秘義務の関係で講義のみの参加をご希望の方はその旨をお知らせ下さい。先着順になっております。ご不明な点がありましたら、事務局までお問い合わせください。

◇セミナー会場(大和郡山市市民交流館)のご案内
奈良県大和郡山市高田町92-16 TEL:0743-51-1155(JR郡山駅東側すぐ、近鉄郡山駅徒歩10分)
※案内の地図をご要望の方は事務局までお問い合わせください。

◇大和郡山へのアクセス
【奈良から】JR大和路快速乗車約10分
【大阪から】JR大和路快速乗車約40分 
【京都から】JRみやこ路快速乗車(奈良で乗換)約50分

◇お問い合わせ
大和まほろばの会 事務局
〒639-1133 奈良県大和郡山市高田口9-2 大和内観研修所内
TEL:0743-52-2579 
FAX:0743-54-1376
e-mail:naikan3@nifty.com













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書評

内観療法』(ミネルヴァ書房)書評                

近畿大学臨床心理センター長 人見一彦 


本書は刺激的な本である。本書は内観療法の基本的な考え方や技法、その活用方法について、心理臨床家をはじめとして一般市民の方々に広く読んでもらいたいという意図によって編纂されている。精神的に健康な人々に対する自己啓発的な効果から、精神病的な重いこころの病理をかかえておられる事例まで、具体的に丁寧に紹介されており、しかもコメントが添えられている。それぞれの関心事に応じて、事例編からひもとくのもよい。
 ここで刺激的と表現したのは、内観療法の本質な部分についての意見が述べられ、魅力的なコメントが展開されているからである。例えば、竹元のギャンブル依存症の事例における「内観療法は定型的で画一的な技法であってもさまざまな症状や行動の変化に有効であるのがわかります」という考察に対して、真栄城は「この言葉は、どこか複雑な理論を有する療法に対する内観療法家のコンプレックスを代表しているように感じます。それで、この際は『内観療法においては、内観者自身のうちに潜在する法灯(理論)に導かれて問題が解決されるのだ』と胸を張って言いたくなったのです」と本質を突く鋭いコメントをしている。続いて真栄城は、「内観療法は所定の手続きさえ踏めば、面接者が誰であってもかなりの程度の効果を発揮するので、これまで理論の出る幕が少なかったのでは」と振り返り、難治例への検討を提案している。三木は、吉本伊信/キヌ夫妻の人柄を紹介しながら、「後学者が彼の一言一句を金科玉条と見なさず、自由な発想で内観を研究できる可能性が開かれているといえます」と述べている。この可能性を大切にしながら、治療過程、治療機序を検討することがこれからの大きな課題であろう。
このことに関して、立花による人格障害の考察は大きな回答であろう。困難な事例の丁寧な治療過程を紹介しながら、「患者のこころの大きな葛藤を尊敬の念を持って傾聴」することを通じて、「患者の怒りを包み込む」ことになり、その結果、「境界例の精神療法の中でおこりがちな投影性同一視による混乱は内観療法ではおこりづらく、患者は自分の分裂した対象と向き合わざるを得なくなり、患者の内面の中での分裂した対象の再統合につながっていきます」と述べている。治療関係を通じて展開されるこのような精神力動への洞察を通じて、「理論の出る幕」が上がることになろう。
堀井らによるうつ状態(気分障害)、双極性障害に対する事例報告も、薬物療法に加えて再発の予防の効果という側面から今後の発展が期待される。栗本による統合失調症の事例報告では、精神科医であること自体についての「内心の観察」の重要性を、自己のささやかな臨床体験と重ねて読ませていただいた。患者にとって治療者との出会いが大事なように、精神科医にとってもこころの指導者、スーパーバイザーとの出会いは決定的なものであろう。広く心理療法に関心を抱く方々に是非一読をお勧めしたい。

◆特集―第十九回内観療法ワークショップ◆

初めて「内観」の空気に触れて                

山内篤男 (沖縄県)


第十九回を数える内観療法ワークショップ奈良大会に初めて参加させて頂いた。小生が参加するに至った理由は内観に興味があったからではなく、今回、大会長の大任を果たした真栄城輝明君が中学校の同期であり、今年の年賀状に十月下旬に奈良でワークショップを開催するので参加しないかとの誘いがあったからである。  
しかし、内観については良く知らないし、参加する気はそれほど強くはなかった。そして、今年の六月に彼が講演のために帰省するというので、同期生が開催している模合い(頼母子講)をその日に合わせて彼の歓迎会をしたときの席でも、彼からワークショップへの誘いがあった。しかしその時も、私には参加の意思はなかった。それからしばらくして、内観療法ワークショップ開催に向けたパンフレットが郵送されて来た。すると、女性陣の中から「同期生が活躍している姿を直に見たいし、みんなでカリー(景気)を付けに行こうよ」との声が挙がった。沖縄では、酒宴で、乾杯の音頭を発するとき“カリー”と言い合って、お互いを祝福する習わしがある。「今回のワークショップでは、同期生が大会長を務めるというじゃないか、それならみんなで奈良まで行ってカリーを付けてやろうじゃないか」と言うことになった。懇親会で披露した幕開けの踊り(かぎやで風)に始まって、サンシン付き沖縄民謡の合唱、さらには最後のカチャーシーの中で、参加できなかった仲間のぶんも含めて、彼へのエールを思いきり表現させてもらった。
さて、ワークショップに参加しての感想を言わせてもらうと、内観に携わっている皆さんは優しい心と笑顔の持ち主だと強く感じたことだ。わずか二日間ではあるが、その中で過ごしただけなのに、私自身「心優しい人間」に少し近づいたように思っている。周囲がそういうから間違いないだろう。それにしても、今振り返るだけでも赤面してしまうのだが、「ワークショップに参加したふりして、大会長の挨拶だけ聞いたあとは奈良市内の観光と正倉院院展が見られたら」というとんでもないことを考えていた。
ところが、私以外の同期生達は(総勢十二名)輝明さんが活躍する姿を見たいという気持ちと内観を少しでも理解したいとの思いが強かった。ワークショップ開催の前日に奈良入りしたわれわれ同期生は、再会を祝して駅前の「贔屓屋」という居酒屋で閉店まで話し込んだ。勿論大いに盛り上がったことは言うまでもない。ワークショップが明日、明後日に控えていることを忘れたわけではないが、その後居酒屋から引き揚げた後もホテルの一室に集合し、皆ほとんど眠らず朝まで話し込んでいた。しかし、みんなさすがに内観を少しでも理解したいとの意気込みがあり、誰一人遅れることなく受付を済まし、一日目の青木先生の特別講演、宮川先生の体験講話の後は入門コース、応用コース、専門コースへと分かれてそれぞれ参画した。小生は分科会に参加せず抜け出して観光と思ったが、たった二時間の特別講演そして体験講話を聞いているうちに興味が湧き、観光を断念し他の五名と一緒に応用コースに参加した。パネリストの皆さんの話を聞きながら、内観の奥深さを知った。内観というものが教育にも応用できることを知ったからである。前日ほとんど睡眠をとっていなかったが意外にも眠気がなく、充実した気分で一日目を終えることができた。女性陣もサイボーグではないかと思うほど元気そのものであったし、彼女等の口から「参加して非常に良かった。輝明さんに感謝しなければ」との感想が出た。そして、一日目の終了後、我々同期生全員は、懇親会に参加させていただいた。そこは、沖縄にいるのではと錯覚するほどであった。とりわけ、最後に全員で踊った「カチャーシー」は、強く印象に残った。その余韻を引きずっていたせいか、ホテルに帰って、解散かと思いきや、ほぼ全員が一室に集い、その日もほとんど眠らず語り明かしたのであった。そのような状態で、二日目に臨んだのである。おそらく何人かは居眠りするだろうと思っていたが、「混迷する現代をどう生きるか」というシンポジウがそれぞれ専門的立場の含蓄のある話であったことから、会場を見回したところ居眠りをする者もなく真剣に聞いていたのには改めて驚いた。
昼食は、みんなで寿司屋に向かった。腹も十分満たされて、睡魔に襲われるかと思いきや、薬師寺の安田管主の講演でも、全員が目を輝かせて聞き入っていたのには感心してしまった。
そして、プログラム最後の内観体験発表がまた大変良かった。大和内観研修所で内観を体験した二名の方が堂々と実名で体験談を話すのを聞いて、心底驚いた。
内観ワーショップには、政治家や国の役人あるいはモンスター・ペアレントと言われている父兄等、自分が悪いのではない、他人や世間が悪いと思っている方々に参加してもらいたかった。
小生も我が強い方だと思っているが、そういう人でも変わることができるんだと思った。参加した同期生達の表情も心持ち穏やかになっていたが、これも内観の空気に触れた効果だと言ってよいだろう。小生自身が、「他人にしてあげている」「相手のためにやってあげたのに何故わかってくれない」等々の思いが強かっただけに、今回のワークショップに参加したことにより、「他人にしてもらっていることに気付かせてもらい、感謝の気持ち」が持てるようになったのは大きな収穫であった。まさに私の心体は「無い観」から「内観」へ現在増殖中のようだ。
最後になってしまったが、真栄城輝明君と大会運営のスタッフ、並びに大会を盛り上げてくださった講師の先生方に感謝したい。

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