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内観セミナーへのご案内

平成20年度第一回シリーズ 内観セミナーのご案内

主催:大和まほろばの会
代表 真栄城輝明(大和内観研修所・臨床心理士)

内観セミナーへの招待
真栄城輝明(大和内観研修所)

このたび内観セミナーを開催することになりましたので、関係各位にご報告方々ご案内を差し上げる次第です。セミナー企画の経緯は以下のようです。
昨年の平成19年10月27~28日に第19回内観療法ワークショップを奈良にて開催致しましたところ、予想を超える参加申込があり、準備委員一同にとっては嬉しい悲鳴となりましたが、会場の収容人数に制限があって、一部の方々には、ご参加をお断りせざるを得ない事態となりました。改めてお詫び申し上げます。アンケート結果はもとよりですが、直接、間接に寄せられた声に耳を傾けていると、内観に対して様々な希望があることが分かりました。いくつかを紹介するとこうです。

①人間関係がうまくいかず“うつ病”になってしまう人が増えているが、職場のメンタルヘルスに対して内観は役に立つでしょうか?
②最近、内観研修所に“境界例”と診断を受けた方の来所が増えてきたが、対処の仕方があれば教えて欲しい。
③ワークショップのシンポジウムが大変良かったので、再度、今度はじっくりお話を聞いてみたい。
④内観と組み合わせて使える他の心理療法があれば、学んでみたい、など。

これらの希望に応えることはできないものかと思案を重ねた結果、内観セミナーを企画することになりました。そこで、今回、企画された内観セミナーでは、欧米の心理療法やインドのヨーガなどに精通しているだけでなく、内観にも深い理解を示すその道の第一人者を講師にお迎えすることができました。
質疑応答の時間を十分に確保するために、人数を制限させていただくことになりますが、学習の質を保つためにはやむを得ないことと考えました。関係各位にはご理解いただければ幸いです。内容はレクチャーや事例検討、あるいは実習を盛り込んだプログラムになっています。事例の提供は、参加者の中から募りたいと思っております。ご希望の方は参加申し込みの際に事務局までお知らせ下さい。参加資格は日本内観学会や日本内観医学会の会員はもとより、対人援助を仕事にしている守秘義務のある方ならどなたでも参加できます。定員になり次第、締め切らせていただきますので、お早めにお申し込み下さい。

真栄城輝明(まえしろてるあき)
 大和内観研修所所長。臨床心理士。上海交通大学客員教授。日本内観学会副理事長。日本内観医学会評議員。日本サイコセラピー学会理事。著書に『心理療法からみた心のふしぎ』『心理療法としての内観』(ともに朱鷺書房)、共編著『内観療法の現在―現代のエスプリ』(至文堂)『内観療法―心理療法プリマーズ』(ミネルヴァ書房)などがある。



第一回シリーズ内観セミナー 日程(Ⅰ・講義、実習 Ⅱ・事例検討)

①5月11日(日) Ⅰ・10:30~12:30 Ⅱ・13:30~16:30
講 師:巽 信夫(精神科医、日本内観学会理事長、信州大学メンタルヘルス科専任医)
テーマ:現代社会と内観

②7月13日(日) Ⅰ・10:30~12:30 Ⅱ・13:30~16:30
講 師:鈴木 茂(精神科医、楽メンタルクリニック院長、静岡大学講師)
テーマ:境界例の理論と実際

③9月7日(日) Ⅰ・10:30~16:30(実習を含む)
講 師:木村慧心(セラピスト、日本ヨーガ療法学会理事長、米子内観研修所所長)
テーマ:ヨーガと内観

④11月9日(日) Ⅰ・10:30~12:30 Ⅱ・13:30~16:30
講 師:人見一彦(精神科医、近畿大学臨床心理センター長)
テーマ:学校現場のメンタルヘルス

⑤2月8日(日) Ⅰ・10:30~12:30 Ⅱ・13:30~16:30
講 師:中川晶(心療内科医・臨床心理士、大阪産業大学教授、なかがわ中之島メンタルクリニック院長)
テーマ:ナラティヴ・ベースト・メディスン

◇会  場:大和郡山市市民交流館 三階大会議室
※「ヨーガと内観」は実習のため、会場は薬園八幡神社になります。(大和内観研修所のすぐ隣です)

◇定  員:25名
※定員になり次第、締め切らせていただきます。当日参加はⅠ(講義)のみ参加可能です。(5,000円)

◇参加費:一般 40,000円 大学院生 30,000円(資料代込み)

 ◇備 考:「ヨーガと内観」では実習がありますので、各自動きやすい服装でお越しください。また、バスタオルをご用意願います。


第一回シリーズ内観セミナー 講義紹介

現代社会と内観(巽信夫)
“働き盛りのメンタルヘルス”と内観療法
 自殺率の急増に象徴されるごとく、“働き盛りのメンタルヘルス”へのとりくみは、昨今、大きな社会的課題となっています。この背景には、モノ的文明の飛躍的発展に伴う人間疎外の加速化が与っているといっても過言ではありますまい。東洋の知恵に根ざし、人間復活を促す内観は、まさに現代が求める本格的な癒しの法であるといえましょう。今回、まずは全人医療、全生涯発達、そしてネオ・コミュニティー医療といった既存の医学モデルを止揚する次世代医療モデルの動向につき紹介します。次いで、内観の実際とその心的転回のしくみにつき、事例をまじえつつ小生なりの見解を提示します。その上で、内観療法としての活用の現状を説明します。そして最後に、時代意識の変遷に伴う内観適用の再考と今後の課題につき言及してみたいと思います。

境界例の理論と実際(鈴木茂)
personality disorderの蔓延という今日的問題について
うつ病患者はかつて、「真面目で責任感が強く、他者配慮性をもった社会的に有能な人たち」と言われてきた。しかし今日では、この常識的なうつ病観とは正反対の、(未熟型・回避型・dysthymia型などと呼ばれる)personalityに問題を抱えた「うつ病」患者たちが増加の一途をたどり、職場のメンタルヘルスの喫緊の課題となっている。統一的な規範を失った現代社会では、そもそもpersonalityに関する正常と異常の境界が不明瞭化し、健常者の間にさえ広義のpersonality disorderが浸透している。1970年代までの「境界例」概念は、時代を下ってborderline personality disorderへと収縮する過程で、80年代には自己愛性人格の、90年代には「解離性同一性障害」の一時的な流行を生み、21世紀に入ると解離性のpersonality傾向が社会に蔓延して,必ずしも異常な現象とはみなされなくなってきたのである。こうして内観のような内省力の重視は、行動に対する外部からの直接的な制御という方法に取って代わられようとしている。そのような時代における症例との関わり方の要点を、当日は論じてみたい。

ヨーガと内観(木村慧心)
―真我を悟る東洋の智慧-
  内観もヨーガも共にインドをその発祥の地とする東洋の智慧である。内観は仏教にその源を発し、ヨーガは2500年前のゴータマ仏陀を更に遡ること2000年に及ぶウパニシャッド聖典成立時代に遡る東洋の智慧である。東洋の智慧の特徴は自己存在の悟りにある。真の自己存在を知ることで私たちは曇りのない、ありのままの世界を悟れるのである。自己の智慧の眼に曇りがなくなるからである。こうした純粋な智慧を得る為には、精神の純化とこの精神純化の有無を自覚する技法が行者に身についていることが必須である。本セミナーでは、内観とヨーガの各技法を駆使して、これら精神純化技法実習と更に、精神純化有無自覚技法を参加者と共に実習する予定である。 

学校現場のメンタルヘルス(人見一彦)
思春期の問題を考える
 いじめ、不登校、引きこもりによる子どもの苦痛は、さまざまな形でこころと身体の症状にあらわれる。子どもの情緒と行動に大きな影を与える。孤独感におちいり、絶望的な気分におそわれ、死を意識することもめずらしくない。イライラしておちつかなくなり、まわりの言動に過剰に反応することもある。母親から離れられなくなり、幼い子どもに戻ったような言動があらわれる。感覚過敏になり、恐ろしい内容の夢を見て、夜中に飛び起きる。家族と交流しなくなり、インターネットにはまり込む。それぞれに大きなこころの悩みがある。子どものこころの病理は、親の病理でもあり、社会の病理でもある。具体的事例を通して、ディスカッションしながら、その背景にある病理を明らかにしつつ、対応について考えてみたい。

ナラティヴ・ベースト・メディスン(中川晶)
病いの語り―ナラティヴの視点から―
近年、ナラティヴ(語り)という言葉が医療分野に、急速に浸透してきている。なぜこれほど浸透が早いのかというと、これまでの医療パラダイムがどうも閉塞状況にあり、医療者が状況打開のために何か別の考え方を模索していたからなのかもしれない。しかし、現在ナラティヴという言葉が独り歩きしていて、様々な派閥が作られているようにみえる。これではせっかくのナラティヴという切り口が単なる心理療法の一派として埋没してしまいかねない。そして医療におけるナラティヴも流行の一つになってしまう危険性がある。医療におけるナラティヴは、イギリスのT・グリーンハルを始めとする臨床医たちが臨床における患者の、病気観を中心にした「病いの語り」を医療に生かすことが治療的だという考え方を強力に押し進めてきた。今回は医療におけるナラティヴの、聴き手側、つまりはナラティヴにおける聴き方について、論を展開してみたい。

講師プロフィール

・巽信夫(たつみのぶお)。1967年信州大学医学部卒業。信州大学部精神医学教室助教授を経て、現在、信州大学病院メンタルヘルス外来専任医。医学博士。日本欧州共通サイコセラピー資格認定。上海交通大学医学部客員教授。役職:日本内観学会理事長、日本内観医学会理事、日本サイコセラピー学会理事、長野県産業保健推進センター基幹相談員。著書に『鬱病』(有斐閣)、『境界例の精神療法』(金剛出版)、『医心理学』(星和書店)、『心理療法の本質』(日本評論社)、『東洋思想と精神療法』(日本評論社)他多数(いずれも共著)。

・鈴木茂(すずきしげる)。1948年 東京生まれ。1973年 東北大学医学部卒業。85~86年ドイツ・マールブルク大学医学部精神科客員研究員(フンボルト奨学生)、県西部浜松医療センター精神科科長を経て2007年4月から楽メンタルクリニック院長。精神保健指定医、医学博士。日本精神神経学会専門医、日本総合病院精神医学会指導医。日本精神病理・精神療法学会評議員。雑誌『臨床精神病理』編集委員。静岡大学非常勤講師。日本精神神経科診療所協会会員。著書に『境界事象と精神医学』『人格障害とは何か』(岩波書店)『境界例 vs 分裂病』『人格の臨床精神病理学』(金剛出版)他多数。

・木村慧心(きむらけいしん)。1947年群馬県前橋市に生まれる。1969年東京教育大学理学部卒業。その後、京都大学にて宗教哲学を、インドカイバルヤダーマ・ヨーガ大学にてヨーガ療法を学び、スワミ・ヨーゲシュワラナンダ大師に師事しラージャ・ヨーガ・アチャールヤとなる。1975年米子内観研修所開設。1980年日本ヨーガ・ニケタン開設。2003年日本ヨーガ療法学会設立。現在、ヨーガ療法研究/普及活動に従事。鳥取県米子市在住。日本ヨーガ療法学会理事長。米子内観研修所所長。

・人見一彦(ひとみかずひこ)。昭和40年神戸医科大学卒業、昭和48年神戸大学医学部大学院(精神神経科学)修了・医学博士、文学部哲学科研究生、昭和50年より近畿大学医学部勤務、平成10年同教授、平成19年同退任、現在 近畿大学臨床心理センター長。平成10年日本精神病理学会、平成15年日本青年期精神療法学会、平成17年日本内観医学会、平成18年日本サイコセラピー学会大会長。著書に『子どもの心のシグナル』『こころの病がわかる事典』『学校現場のメンタルヘルス理解』(朱鷺書房)、『阪神大震災のメンタルヘルス』(金原出版)など多数。

・中川 晶(なかがわあきら)。1952年京都生まれ。1977年大阪府立大学農芸化学科を卒業し、大学院へ進学。1985年に奈良県立医科大学卒業後、大阪赤十字病院内科研修、大阪大学精神医学教室に入局。近畿大学東洋医学研究所を経て1995年なかがわ中之島クリニックを開設。2001年大阪産業大学人間環境学部助教授に就任。2005年教授に就任。イギリスにてナラティヴ・ベースト・メディスンを学んで帰国。著書に『こころの癒し方(健康ライブラリー)』『心療内科医のメルヘン・セラピー:ココロの重荷が軽くなる11の物語』(講談社)他多数。


参加申込要領

【対  象】 教職者、臨床心理士、精神科医、その他医療、教育、福祉等に関わっておられる方。また、それに関わる領域を学ぶ大学院生(教育、心理、医学、福祉等)の方。 ※事例検討が予定されていますので、守秘義務があります。

【申込方法】 必要事項(氏名、住所、年齢、職種、電話、メールアドレス)を記入の上、郵送又はFAXにて事務局にお申し込みください。メールでの申し込みも可能です。
     
【定  員】 25名 ※定員になり次第、締め切らせていただきます。
      
【申込期限】 第一回開催時(平成20年5月11日)まで

【問い合わせ】 大和まほろばの会事務局(〒639-1133 奈良県大和郡山市高田口9-2 大和内観研修所内)TEL:0743-52-2579 FAX:0743-54-1376 e-mail:naikan3@nifty.com

【参加費】 
一  般  40,000円(全五回) 38,000円(早期割引)
大学院生  30,000円( 〃 ) 28,000円(早期割引)
講義のみ参加(「ヨーガと内観」は実習含) 5,000円(早割なし)
      
※参加費は下記の口座(ゆうちょ銀行)に専門用紙(振替払込書)にて納付してください。用紙は全国の郵便局で用意されています。

・口座番号 00900-4-193885(大和まほろばの会)
      
なお、シリーズ一括申込で平成20年4月末日までに振り込まれた方は参加費が2,000円引きとなります。(早期割引)「ヨーガと内観」あるいは講義のみ参加の方は早割の対象にはなりませんので、ご了承ください。

【会場受付】開始時間の30分前より開始いたします。

※申込は原則として全五回、シリーズ一括事前申込みとなります。但し、守秘義務の関係で講義のみの参加をご希望の方はその旨をお知らせ下さい。先着順になっております。ご不明な点がありましたら、事務局までお問い合わせください。

◇セミナー会場(大和郡山市市民交流館)のご案内
奈良県大和郡山市高田町92-16 TEL:0743-51-1155(JR郡山駅東側すぐ、近鉄郡山駅徒歩10分)
※案内の地図をご要望の方は事務局までお問い合わせください。

◇大和郡山へのアクセス
【奈良から】JR大和路快速乗車約10分
【大阪から】JR大和路快速乗車約40分 
【京都から】JRみやこ路快速乗車(奈良で乗換)約50分

◇お問い合わせ
大和まほろばの会 事務局
〒639-1133 奈良県大和郡山市高田口9-2 大和内観研修所内
TEL:0743-52-2579 
FAX:0743-54-1376
e-mail:naikan3@nifty.com













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