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NO.9
病院の臨床心理士①

    ひがし春日井病院 真栄城輝明

人生相談回答者への憧れ 

 心理の仕事を紹介して、それが本になる時代になったという。世の中、こころの時代なのであろう。
筆者は医療機関に勤める臨床心理士である。高校生になって間もない頃、ラジオの人生相談という番組を通して心理学という学問があることを知った。回答者は心理学出身の精神分析家と紹介されていた。大学の心理学科へ入ればその回答者のような心理の仕事ができるのか、と至極単純に考えたことを友人に話し、担任に相談したところ、一笑に付されてしまったことを覚えている。まだ、心理学という学問が一般に知られていない30余年前の話である。それでも単純さが幸いしてか、例の回答者への憧れをエネルギーにして、迷うことなく心理学科を選択した。そして、後日談であるが、筆者の進路を決心させてくれたそのラジオの心理学者が目の前に現れたのである。心理臨床学会の場で筆者が研究発表をした時のことであるが、フロア-からの質疑が活発に飛び交い、そのなかにラジオで聞き覚えた例の声を聞いた時、憧れが現実になったことをしみじみと感じたものである。  

広がりつつある職域

 日本臨床心理士資格認定協会から認定された臨床心理士は1993年に3700名に達したとことに驚いていたら、わずか7年後の2000年には倍増の7000名を超えたようなのである。
 しかし、一口に臨床心理士といってもその職種は多彩である。筆者のような病院臨床に携わっている臨床心理士が全国に何人いるのか、その実数を示した資料を目にしたことがないのではっきりはわからないが、決して少ない人数ではないことだけは確かである。というのも、いまや精神科だけでなく、心療内科はもとより小児科・外科・産婦人科に及んで臨床心理士が必要とされ、その職域を広げているからである。
ただし、同じ医療という場であっても、仕事の内容はさまざまである。ここでは、筆者の勤める機関(内科と精神科を併設)における臨床心理士としての仕事内容を紹介しよう。



心理療法などの仕事内容

 筆者の勤務する病院は名古屋のベッドタウン、春日井市に開設されて18年を迎えるが、歴史の古い大きな病院と違って、臨床心理という新しい職種を受け入れるにあたって、抵抗どころかきわめて柔軟かつスムーズがあった。
このことからの教訓は、歴史と伝統は大切かも知れないが、新しいものが受け入れられるには、それなりの柔軟性が必要だということである。その柔軟性に支えられて臨床心理士としての心理の仕事が形を成していったわけであるが、それを羅列的に示せば、およそ以下のようである。

 ①心理療法は臨床心理士のメインになる仕事である。当院は内科と精神科の外来と並んで心理・教育相談の外来を開いており、内科からは主に心身症が、精神科からは神経症のクライエント(患者)が依頼されて心理療法室を訪れる。心理療法の内容について詳述するほどの紙面はないので省略するが、個人療法の他に家族療法や集団療法の形態をとって行われている。対象は子どもから成人、そして老人まで及んでいる。

②心理検査は必要に応じて適宜施行するが、心理診断の補助として、あるいはクライエントのパーソナリティを理解する参考資料に、さらには心理療法の効果判定などに用いる。次にあげる研究の資料にも役立っている。

③研究は臨床心理士として自らを成長させてゆくことはもとより、そのことがひいてはクライエントのために役立つという意味で、必要不可欠な仕事と思われる。また、他職種との協同研究は、それによって職種間の相互理解を深めるという利点がある。

 ④何といっても心理学は人間関係の学である。職場内の人間関係の仕事を担当するところ、といえば人事部があるが、専門知識を活かして人事部と連携することも重要な仕事として心理に期待されている。たとえば、具体的には採用時に立ち会って、面接のほかに性格検査などの心理検査を実施し、判定の参考資料を提供する仕事がある。

 ⑤時代は、ますます心の問題が深刻になっている。教育の場で発生している不登校や非行、いじめによる自殺など、心の問題を抜きにしては解決が困難になってきた。

 そこで、学校には教師以外の心の専門家が必要になって、文部科学省は平成13年度から全国の中学校にスクールカウンセラーの派遣を制度化するようである。
そこで、心の専門家である臨床心理士がスクールカウンセラーとしての仕事を担うことになった。とりわけ、病院の臨床心理士には、多彩で豊富な臨床経験に基づいた対応が期待されており、学校現場で発生する病理を伴った問題にその技量を発揮している。

(本文は、「心理の仕事」朱鷺書房より抜粋したものです。)


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